「この教科が苦手だな」という感覚って、多くの生徒にあると思います。
今日の授業を見ていて、「何が」苦手なのか、「どこが」苦手なのか、じっくり見ていきました。
ある子は、「点数を上積みするためにもっと応用問題を解きたい」と言います。そこで応用を解かせてみると、まったく歯が立たないわけではない。問題文から式をしっかり立てているし、その式も正しい。
ただ、最終的には正解ではない。
答えを見て〇か✕か、はだれにでもできます。私がするのは、そこから「その子がどう考えてどう答えまでたどりついているか」を、途中式を順を追って確認です。
では「何が」苦手なのかと観察していると、途中での計算の、ほんのちょっとしたミス、、、たとえば符号であったり、ささいな九九であったり、そういった部分がひっかかっていました。
この子の場合、応用問題よりもそこから求める計算のほうにもう少し比重を置くことで、最初にある本人の悩みというか意見を解決することができます。
符号や九九なんて、中1の最初のレベルですから、難易度で言えば一番低いところですからね。そういった部分を克服してこそ、点数の伸びというものが期待できます。
そう考えれば、思ったほど数学で点数を上積みするのは苦ではないということが分かると思います。
また別の子は、「数学自体が苦手」です。じゃあ、数学の「どこが」苦手なのか、計算なのか図形なのか、これまたじっくり観察していきます。
観察していった結果、計算が苦手だと判明しました。その苦手な計算は、苦手なのではなく、時間がかかることが原因で、おそらく過去に何回も”時間切れ”で最後まで終えることができなかったことによるものと考えました。
ならば、速く解く練習をすること、毎回の授業に計算問題を取り入れることを、地道に積み重ねていくことで少しずつ改善に向かいます。
私は数学を担当しているので、どうしても数学ばかりになってしまっていますが、もちろん井上先生の担当する英語も同様です。
こうやって細かく見ていくと、その子の「苦手」は、思ったほど「苦手ではない」のですよね。
自分が思い込んでいる可能性もあります。そうした部分から、丁寧に見ていくのがルーツの指導です。