高校の教師をしていたとき、N紀というどうしようもないヤンチャボーイがいました。
どうやら、高校に入ってくる前から有名だったらしく、
幾度となく暴力などで停学をくらっているようなボーイでした。
私と出会ったのは彼が高2のとき。
最初の打ち合わせから、「コイツは要注意」と念を押されていたのですが、
いかにもだるそうなカンジで授業を受けているのかどうなのか、、、といった様子でした。
歳が近かったということもあってか、少しずつN紀と話すようになり、
怒られそうなときはそっと近づいてフォローするようにしていました(笑)
まじめな先生から見れば、ひどく目に映るようなN紀でしたが、
話せば本当に良いやつで、車やバイトの話もちょこちょこしていました・・・授業中に(笑)
ちょっとですよ!!
高3になって、いきなりアメリカに行きたいと言い出しました。
こやつは何を言うとるのかと思いつつ、話を聞いてみると、
アメリカで弁護士になりたいんだ、と初めて夢を明かしてくれました。
そのときの感動といったら、、、嬉しかったですね。
学校の成績は下の下、卒業できるのか?くらいのボーイでしたから。
夏が空け、校内でスピーチコンテストが開催される季節になりました。
すべて英語で話すので、聞き手はかなり大変・・・(笑)
担任の先生に促されたのか、N紀は最後に出場することになりました。
学校内でも、彼のヤンチャ度は有名でしたから、
N紀が話し始めたときの驚き、感動でどよめきが起こったほどでした。
私も鳥肌が立ち、ひょっとしてN紀はでっかい存在になるのではないか、
そう感じるほどでした。
英語は、本人曰く独学で、映画などを観ながら習得したということですから、
実はスゴイやつだったパターンにあてはまります(笑)
そして、さらに驚かせてくれたのが、大学の話。
N紀がいた学部は、就職が半分以上の割合を占める、専門学科でした。
N紀も当然就職、しかしちゃんと働けるのか?
という流れの中、N紀から出てきた言葉は、、、
「夏休みに、ニューヨークの州立大学の担当者に、
東京に来てもらって、面接をして合格をもらったよ。」
『どんだけ~~~』
アメリカンドリームを実現させてしまいました。
アメリカの大学は、入るのは案外たやすく、卒業するのが大変と聞いているので、
それは非常に心配ですが、きっとN紀ならやってくれるでしょう。
それ以降は連絡を取っていませんので、今は何をしているやら、、、ですが、
アメリカに経つのが卒業式より前ということもあり、
N紀一人の卒業式が行われました。
私は授業の関係で参加できませんでしたが、
卒業式後の休み時間にN紀を訪ねると、
号泣して、感謝しているN紀の姿がそこにありました。
「神成先生、出会えて本当に良かったよ。」
「話を聞いてもらえなかったら、あのまま学校を辞めてたかも・・・」
その言葉を聞き、もらい泣きしそうになるのをこらえ、
応援していることを伝えてガッチリ握手しました。
先日、夢の持ち方は人それぞれとブログに書きましたが、
N紀にとっては、アメリカの大学に行くという明確な目標ができたからこそ、
今までの自分から、変わることができたのだと思います。
まさにスイッチが入った瞬間でした。
N紀のことは、生涯忘れないですし、連絡が来てくれることを願いつつ・・・(笑)
いつか会って、近況や高校の思い出について熱く語り合いたいです。
これも一つの夢ですね☆
今では、こんな生徒に恵まれて、本当に自分は幸せだなって感じます。
これがあるから、教師という仕事は魅力的ですし、
塾のほうが生徒との距離が近いですから、よりダイレクトに感じられます。
こういった感動を、ルーツでよりたくさん与え、もらえたらなって日々思います。
そのためにも、本気で生徒たちに接していかないと、
生徒たちの変化に敏感になっておかないと、そう思い、身が引き締まります。
よっしゃ!
気合いと根性で楽しく!!!
TOMORROW IS ANOTHER DAY.
今日よくやったから、明日きっと最幸の一日になると信じよう♪